乖離的反応
なんとか愛されたい、愛されたいと、ひたすらに願ってきたあたし・・・・・。
潔く絶望してしまえば、まだ救いがあるかもしれない。
でも、絶望することをいたずらに拒否し続ける状態は、ある意味、救われない。
そこだけは自己の責任において背負い込む覚悟を持たないと、欺瞞はいつまでも続いてゆく。
だからこれは純粋に選択の問題なのだ。
だから。
だから、もうやめる。
この歓びは、何かの代償のためにあるのではなくて・・・・・そう。
ただその一瞬一瞬を慈しむためにあるんだ、と。
いつかは別れなければならない―――
その現実から眼を逸らすのではなく、受け入れるところから、すべてを始めて。
そしてこの愛しい時を胸に刻んでゆく。
何事にも換え難い思い出に昇華するために。
- 作者: 西澤 保彦
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2003/10/01
- メディア: 文庫
- 購入: 5人 クリック: 277回
- この商品を含むブログ (49件) を見る
やばい。ミステリーを読むつもりが、うっかり自分の恋愛観を正されてしまった感じ。なんなの、これ。この前、ふと「どうしたら救われる?」と口にしてしまって、いったい何から?と自分でも思ったけど、こういうことなのかもしれない。絶望さえも、受け入れたい。あの人が愛する人を、あたしじゃない別の人を愛するあの人を、優しく見守りたいよ。
それにしても、原稿用紙1100枚を超える大作。徹夜です。